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下手の「へ」

 新聞の見出しには「辻元前議員逮捕へ」「土屋埼玉知事辞任へ」「有事法制今国会成立へ」「中学生を聴取へ」という具合に「へ」がよく用いられる。新聞制作段階ではまだだが、読者に新聞が届く時にはそうなっていることが確実な場合とか、そうなる見込みだが、いつかがはっきりしない時に「へ」をつけるのだが、昔から「下手のへ見出し」といって評判が悪い。乱発すると紙面のトーンが弱まり、不確実なことばかり載せている印象になるためで、「へをつけてくれ」と頼む出稿元に、「きょう逮捕」とならないのかとか、「成立確実」ではいけないのかと整理記者が食い下がって押し問答となることがよくある。出稿側には「へ」をつけておけば、もしそうならなくても言い逃れが出来るという意識があるのだが、実際にそうならかったら「へ」がついていても誰も許してはくれない。
 23年も前の話だが、自民党単独過半数時代の1980年5月の国会会期末に野党が大平内閣不信任案を出した時、当然否決されると考えた各紙は、夕刊で「内閣不信任案否決へ」と一斉に見出しをつけた。毎日新聞だけはその時「不信任案今夕採決」とその段階で分かっている事実だけを見出しにした。ところが、当時自民党は大平・福田の大福戦争がくすぶっていた時で、福田派などが欠席したため不信任案は可決されてしまったのである。「へ」つきで不信任案否決をうたった各紙が面目を失ったのは言うまでもない。
 「へ」が具合の悪いもう一つの理由は平仮名と片仮名の見分けがつかないことだ。整理のデスクや編集部長時代、「民家へダンプ」「政府へアピール」「ゴミ減量へリサイクル」などという見出しを見ると「へダンプ? ダパンプなら知ってるけど」「へアピールってどんな髪?」「ヘリサイクルって飛ぶ自転車?」と、担当者に嫌味を言って直させたことが何度もある。うるさいやつだと思われても、見出しは読者を惑わせてはいけないのだ。

  
(左)新聞の1面見出しには「へ」が乱舞することがある
(右)「ヘリスク」って何でしょうね。「へりくつ」なら分かるけど

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