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15版


  全国紙の各面の欄外には「13版」とか「14版」などの版名が入っている。例えば毎日新聞では、和歌山市などに届く朝刊は「13版」だが、東京23区や大阪市内などには最終版の「14版」が配られる。欧米でアテネ五輪のような大イベントが行われると、時差の関係で、13版と最終版では記事がガラリと変わることもしばしばである。そこで、最終版については、家庭に配達される時間から逆算して時間を決め、それより遅いニュースは入れないことを各社が協定して、何時まででも新聞を作るような競争を防いでいる。
 大阪では朝刊最終版を各社の輸送担当者が交換する習慣がある。印刷直後の各紙が大阪編集局に午前3時に届き、大阪から東京へ1面と社会面のコピーが送られる。各部の宿直は他紙に特ダネが載っていないか点検し、スクープされていたら、担当者を電話で起こして取材に走らせる。私がいた整理部門では、各社の記事扱いを見比べて、自分たちの価値判断の是非を反省し、各工場の朝刊印刷終了を確認してから帰宅するのが決まりだった。
 最終版作業が終わってから交換紙が届く午前3時までが待ち時間で、整理部門の担当者や各部の当番デスク(出稿責任者)が編集局の真中で1人500円〜1000円の会費を払って飲み会を開く。14版のあとなので、「15版」と呼んでいた。整理の夜勤者には、15版用の酒とつまみを用意する当番が順番で回ってくる。普通は乾き物とかコンビニで買ったおつまみが並ぶだけだが、奥さんの手作りの品を持ってきたり、腕によりをかけて豪華な夜食を用意する独身者もいた。10年以上前のことだが、料理自慢の女性記者が整理部門にいて、当番の度に趣向を凝らした豪華メニューで喜ばせてくれた。そのせいで彼女だけ当番の回数が多かったという説もあったほどだ。最終版締め切りが遅い名古屋では、仕事が終わる前から当番が豆腐やねぎを切って鍋の準備をしていることもあった。


毎日新聞東京本社のある日の「15版」風景(数年前の写真です。私は写っていません)
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