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二十四の瞳

 昭和29年というと今から50年前、私が小学2年の時だが、松竹映画「二十四の瞳」を父母に連れられて見に行った。この年「七人の侍」も家族で行ったが、超満員で3階席の端っこから見た覚えがある。今にして思えば当時は日本映画の黄金時代だったわけだ。
 そんなころだからほとんど記憶は残っていないが、印象に残る場面が2つあった。1つはビール瓶に玄米を入れ、棒で突っついて精米しているところ、もう1つはお習字で、片仮名で「ノメクタ」と書いているシーンである。ちょうど父母の小学生時代の国定教科書が「ノメクタ」で始まっていたため、両親もその場面が懐かしかったらしく、しばらくして父は役所や民間の同世代の人を集めて「のめくた会」なるものを結成した。「ノメクタ」を教科書にした仲間が親睦を深めるため「飲んで食う」会という意味である。
 ところで、なぜ「ノメクタ」が教科書のトップを飾ったのか。戦前は平仮名の前に片仮名を教えていたので、「ノ」と「メ」、「ク」と「タ」という、それぞれ斜め棒を1本書き足しただけのような似た片仮名をセットで教えたほうが覚えやすいという考えかららしい。
 実は片仮名には、他にもよく似た字がいくつかある。「テ」と「ラ」、「ス」と「ヌ」、「ワ」と「ウ」、「フ」と「ナ」、「マ」と「ア」、「ソ」と「ン」、「シ」と「ツ」などである。とくに「ソ」と「ン」、「シ」と「ツ」は、大人になってもうまく書き分けられない人がいる。
 「ヽ」を打ったあと、上から「ノ」のように斜線を引くか、左下から右上に跳ね上げるかが「ソ、ツ」と「ン、シ」の違い。また、「ツ」と「シ」の点2つは、左、右と打つか、上、下と打つかが違いで、昔の人は当然お習字で習ったから身についているのだが、最近は平仮名に比べて片仮名は通り一遍しか学ばないせいか、この基本を知らない人が多い。今の子たちには「ノメクタ」より「ソンシツ」を教えないと、大きな「損失」を招きそうだ。


「ノメクタ」などが入った習字手本である各学年用の「尋常小学校国語書き方手本」

松竹映画「二十四の瞳」の一コマ

「シ」と「ツ」、「ソ」と「ン」、そして「マ」と「ア」。紛らわしい片仮名も行書体だと書き方の違いが分かりやすい
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