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「ー」(音引き)

 番外ついでに、50音ではないけれど、カタカナ語の表記には不可欠な長音符号「ー」のことを書く。新聞の世界ではこの記号を「音引き」と呼んでいたが、辞書を引くと、印刷や校正の専門用語の扱いになっている。「ウ濁点」ほどではないが、業界用語のようだ。
 「ー」の使い方は意外に難しい。基準は1991年の内閣告示「外来語の表記」で、準拠している新聞用語集などによると、@英語の発音記号で「長音」(小さな三角を縦に並べた「:」みたいな記号)で表記される部分に長音符号を使う(例:トーク)A原語で二重母音の「ei」「ou」と発音するものも原則として長音とみなす(例:チェーン、ショー)B語尾などのer、or、arや語尾のyは長音符号で表すのを原則とする(例:レター、ドクター、レギュラー、カントリー)Cいずれも例外があり(例:バレエ、ボウリング、コンテナ、トライ)、さらに上記ルールになくても慣習的に語尾に長音符号をつけることがある(例:ウイスキー)――となる。
 ところが、内閣告示とは別に、理工系の標準用語を示した「JIS用語」というのがあって、これでは原則として3音節以上の外来語の語尾には長音符号をつけない。国立N大工学部の犀川創平助教授と両親を飛行機事故で亡くした資産家令嬢の工学部生・西之園萌絵のコンビ探偵が活躍するミステリなどで知られる森博嗣氏は、自身がN大工学部助教授のためか、「ー」省略が目立つ。「コンピュータ」「エスカレータ」「モニタ」「プロデューサ」はもちろん、2音節でも「プリンタ」「シアタ」「ナンバ」「マイナ」といった具合に。
 実は和歌山の方言は語尾を伸ばしたがる傾向があり、特に一字の単語は発音しにくいこともあって「絵」は「えー」だし、「毛」は「けー」である。そもそも紀伊という国名が「木」の国から転じたという説が有力で、それがなまって「きい」になったと言われている。
和歌山人は理科系人間ではないということだろうか。で、次回から新シリーズとなる。


「ー」の使い方は難しい。
(左)内閣告示なら「パーティハウス」は「パーティーハウス」だし、「メガネストアー」は「メガネストア」のはず。
(右)和歌山市の河西コミニュティーセンターは、避難場所表示が内閣告示通り「コミュニティー」となっているのに、肝心の市の看板は「コミュニティセンター」とJIS用語風である=いずれも和歌山市内で
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