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65籵

 デカ(deca)はギリシャ語で10のこと。ボッカッチョの「デカメロン」は10人の男女が1人1日1話ずつ、10日間物語を語り合う形式の小説である。籵(デカメートル)は普通使わない単位だが、メートルの10倍という意味である。同様に米偏に千(粁)ならメートルの1000倍、つまりkmで、漢字はこんな風に応用して作れる便利さがある。
 さて65籵すなわち650mは、関門海峡の「早鞆瀬戸」といわれる最狭部の海幅なので、今回は関門海峡の話となる。今から20年以上前、新聞社の大阪本社勤務時に、労働組合の本部役員を2年務め、東京、大阪、北九州、名古屋、札幌の各支部選出役員が集まる会議に度々出席した。普段は東京で開かれるが、時に札幌や北九州でも開催され、北九州の時は、当時は関門海峡に面した毎日健保組合の「めかり荘」が宿泊先兼会議場となった。
 「めかり」はわかめを刈ることで、漢字では「和布刈」と書く。松本清張の小説「時間の習俗」のアリバイトリックの舞台が門司・和布刈神社だった。その「めかり」での会議の楽しみは当然「ふぐ」である。大きな声ではいえないが、議事もそこそこに、ふぐなど新鮮な海の幸をたらふく食べて親睦の時を過ごした。そして、翌朝起きて寮の窓から見る関門海峡・早鞆瀬戸がまた素晴らしい。左手は武蔵と小次郎の決闘の場・巌流島、正面は下関の平家滅亡の地・壇ノ浦である。寮のすぐ右脇には関門海峡大橋がそびえて見える。
 だが、不思議なことが一つある。外国船がひっきりなしに行き交う関門海峡を九州から眺めているのだから、当然東を見ているはずなのに、太陽は背後から登ってくるのである。「えっ、どうなってるの?」。この景色を最初に見た時は、本当にびっくりして、キツネにつままれたような気分になった。これは地図を見ないと理解できないと思うが、「めかり」の辺りでは間違いなく本州が西に、九州が東にあるのである。信じられますか?


毎日新聞の「めかり荘」は関門橋のすぐそばにある。
広域図で分かるように左(西)が本州、右(東)が九州である

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