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ハナ(87)

 「クレオパトラの鼻がもう少し低かったら歴史は変わっていただろう」は哲学者パスカルの「パンセ」にある名言?だが、フランス語の原文は「Le nez de Cléopâtre : s'il eût été plus court, toute la face de la terre aurait changée」だそうだ。フランス語はチンプンカンプンだが、nezが鼻(英語のnose)で、courtが短い(英語のshort)に当たるらしい。つまり、原文は「鼻が低かったら」ではなく「鼻が短かったら」と言っているのである。
087ことばと文化.jpg 私の尊敬する言語学者で、慶応大学名誉教授の鈴木孝夫さんによると、フランス語に限らず、欧米の言葉では一般に、鼻を高い低いとは言わず、大きい小さいか、長い短いで表現するようだ(「ことばと文化」=岩波新書)。そもそも欧米人にとって鼻が高いのは当たり前で、高い鼻に憧れる日本人とは全く違う思いを鼻に抱いているようだ。欧米人の女性に「鼻が高くて素敵」と誉めたら気を悪くされるかも知れないので、気をつけた方がいい。
 鈴木氏の前掲書によると、人の顔を文章で克明に表現するとき、日本人は必ず鼻のことを書くが、欧米人は眉、目、口、あごなどについては触れても、「シラノ・ド・ベルジュラック」のような、極端に醜い鼻にまつわる話以外では、あえて鼻には言及しないことが多いそうだ。鼻をセックスシンボルと見てタブー視する傾向があるようにも思える。

 話は変わるが、競馬のハナ差は最も接戦時の着差で、英語では「by a nose」である。日本ダービー72回の歴史で、ハナ差で勝負が決まったことが7回ある。第9回(1940年)の@イエリュウAミナミ、25回(58年)@ダイゴホマレAカツラシュウホウ、28回(61年)@ハクショウAメジロオー、41回(74年)@コーネルランサーAインターグッド、46回(79年)@カツラノハイセイコAリンドプルバン、48回(81年)@カツトップエースAサンエイイソロン、67回(2000年)@アグネスフライトAエアシャカールの7回だ。「優勝馬の鼻がもう少し短かったら競馬の歴史が変わっていたのは間違いない。


087="2000ダービー.jpg"

2000年、第67回ダービーは河内騎乗のアグネスフライト(4)が武豊のエアシャカール(2)を鼻差で振り切ったが、ゴール板を過ぎても2頭の競り合いは続いた

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