明日 I will support Ohashi For tomorrow. 大橋健一
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市民が主役

惰学記


128枚

 「蝦蟇(がま)の油」という古典落語がある。、香具師(やし)と呼ばれる寅さんみたいな大道商人が、巧みな口上で「蝦蟇の油」と称する怪しげな傷薬を売る話である。紋付袴、刀を差し、額に鉢巻、ガマの絵が入ったのぼりを立てた香具師は、観衆を前に刀の切れ味を示した後、蝦蟇の油を刀に塗って、「こうすれば刀は切れなくなる」と顔に刀を当てて見せる。この辺は手品みたいなもので、加減してるから血も出ない。次に油をふき取り、二の腕に傷をつけ、今度はちょっと血を出してから腕に油を塗って血を止めてて見せる。見事な手際にだまされた人々が次々油を買い、小銭が貯まったところで一息入れ、飲みに行ってしまう。もうひと儲けしようと街頭に立った時はベロンベロンで、口上はめちゃくちゃ、顔に刀を当てたら、加減が狂ってパッと血が出る。慌てて蝦蟇の油を塗って見せるが血は止まらず、半泣きで「さてお立会い、誰か血止め薬はお持ちでないか」という落ちになる話である。
 小学生のころ落語に凝ったことがあるという話は何度か書いたが、当時ぜひマスターしたいと思っていた話が「時そば」と「蝦蟇の油」で、時そばは何度か挑戦したが余りウケず、蝦蟇の油は口上が難しくて一度も実演できないまま、いずれもモノにならなかった。
 小学生の身で蝦蟇の油の口上のどこが気に入ったかというと、倍々ゲームの算数部分、つまり「手前持ち出だしたるは、鈍刀なりといえども家に伝わる一刀。抜けば玉散る氷の刃。お目の前において白紙をもって試してご覧にいれる。さ、もっと前へ来い、もっと前へ……、一枚の紙が、どぉじゃこのように二枚となる。二枚が四枚、四枚が八枚、八枚が十六枚、十六枚が三十二枚、三十二枚が六十四枚、六十四枚が百と二十八枚……」というところだった。しかし、実際にやってみると、大判の新聞紙1面でも128分割となれば、1枚は7cm×5cm位である。A4とかB4の紙では128枚なんて到底不可能なはずなのだが。
 


A4判(297mm×210mm)のコピー用紙を試しに128分割したら、長辺26.2mm×短辺18.6mmの長方形になる。いくら切れ味が良い刀でも、紙がこんなにスパスパ切れることはありえない

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