明日  I will support Ohashi For tomorrow. 大橋健一
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市民が主役



惰学記




木綿のハンカチーフ

 太田裕美の「木綿のハンカチーフ」は1976年の大ヒット曲である。彼女のインタビュー記事*1などによると、8歳からピアノを習っていた彼女は中学時代、沢田研二の大ファンで、上野学園中学声楽科3年の時、「ジュリーに会いたくて」スクールメイツのオーディションを受け、合格。高3の72年11月にNHKテレビ「ステージ101」の「ヤング101」レギュラーメンバーとなり、渡辺プロと正式契約、74年1月、19歳でレコードデビューした。
 「木綿のハンカチーフ」は、松本隆が作詞、筒美京平が作曲し、75年12月21日にリリースされた彼女4枚目のシングルで、元は直前に出されたアルバム「心が風邪をひいた日」に収められた曲だったが、アレンジを少し変えて再録音し、シングルとして売り出された。
 故郷を出て、東京で就職する若者が、都会の魔力に引き込まれ、故郷も恋人も捨てて都会の虚飾に身をゆだねてしまう様子を、故郷から寂しく見守る女心を歌ったこの曲の歌詞は珍しく4番まであり、しかも曲名が4番の歌詞の最後になって登場する*2のがミソだった。彼女の可憐でやや舌足らずの歌いぶりとマッチして大ヒットし、太田裕美といえば誰もがこの曲を連想するほどの代表曲となったが、残念ながらオリコン順位は2位が最高だった。レコード売り上げ史上最高*3の「およげたいやきくん」に勝てなかったのである。
 「木綿のハンカチーフ」でスターの座を手にした彼女だが、この曲のシングル化が決まった時、戸惑いがあったようだ。彼女は当時のアイドルたちより少し年上だった*4ためか、デビュー曲「雨だれ」以来、ピアノの弾き語りを看板に歩んでいた。この曲で初めてピアノを離れたのだが、それを彼女は、アイドル路線に飲み込まれる、すなわちこの歌の歌詞でいえば「都会の絵の具に」染まってしまうような不安を抱いたのではないかと私は思う。
 
*1 読売新聞「青春グラフィティー」2009年5月20日〜6月10日(4回連載)などによる。
*2 普通の歌謡曲はほとんどが3番までで、長い曲は3番がさわりの部分だけのものも多い。「木綿の〜」が4番まであるのは、恋人を東京に送り出し、恋人との距離が徐々に広がっていく場面を2度描き、別れへとつなげるために、いわば「起承転結」という構成が必要だったのだと思われる。歌詞に木綿のハンカチーフが登場するのは、4番の最後、「ねえ、涙ふく木綿のハンカチーフください ハンカチーフください」のところだけである。
*3 「およげたいやきくん」は、オリコンによると約455万枚売り上げたといい、歴代2位の「女のみち」の326万枚を100万枚以上も上回る断トツである。ちなみに「木綿のハンカチーフ」は87万枚で、76年の年間売上4位だった。
*4 1974年はオーディション番組「スター誕生」全盛期で、百恵、淳子、昌子の「高1トリオ」が大活躍し、アイドルの低年齢化が著しかった。太田裕美の19歳は、その当時としては中途半端な年齢だったと言える。*1のインタビュー記事で彼女自身が「木綿のハンカチーフがシングルカットされると聞いて、『へー、この曲が』と思った」「ハンドマイクで歌うのは初めてだし」と路線転換への戸惑いを吐露している。
 
※曲名が「も」で始まる歌
もう逢えないかもしれない(菊池桃子)、もう一度逢いたい(八代亜紀)、もう一度一から出直します(小林旭)、もう君以外愛せない(Kinki Kids)、もう恋なのか(にしきのあきら)、もうすぐ30(上岡龍太郎)、もう少し(Kiroro)、もう涙はいらない(鈴木雅之)、燃えよドラゴンズ!(坂東英二など)、燃える手(弘田三枝子)、モーニングコーヒー(モーニング娘。)、もしかして(小林幸子)、もしも明日が(わらべ)、もしもピアノが弾けたなら(西田敏行)、もしもボクの背中に羽根が生えてたら(五つの赤い風船)、モスラの歌(ザ・ピーナッツ)、もずが枯木で、紅葉(唱歌)、もっと強く(EXILE)、モナリザの微笑(タイガース)、モニカ(吉川晃司)、もののけ姫(米良美一)、桃色吐息(高橋真梨子)、桃太郎、森のくまさん(童謡)、森の水車(荒井恵子)、モンキー・マジック(ゴダイゴ)、モンスター(ピンクレディー)、モンテカルロで乾杯(庄野真代)、モンロー・ウォーク(南佳孝)=偶然だが、最後の2人、庄野真代さんと南佳孝さんが、昨日(5月20日)和歌山市で開かれた「第3回フォークジャンボリー」にゲスト出演してくれた。




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