明日  I will support Ohashi For tomorrow. 大橋健一
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市民が主役



惰学記




All My Love

 新年早々、パティ・ペイジの訃報を読みびっくりした。このコラムを愛読していただいている新聞社時代の先輩から「パティ・ペイジについて書いて」と記した年賀状を受け取り、思案していた矢先だったからだ。そこで急きょアルファベット編はAに戻り、彼女の最初のベスト1となった「All My Love」を取り上げ、パティ・ペイジについて書く。
 パティ・ペイジ(1927〜2013)はオクラホマ出身で、1945年ごろから地元ラジオ局の番組に歌手として出演、47年に1人で多重唱する多重録音*1の「Confess」でレコードデビュー、これが話題となりヒット、次に四重唱で出した「With My Eyes Wide Open I'm Dreaming」はミリオンセラーとなった。そして1950年にリリースした彼女2枚目のミリオンセラー曲が「All My Love」だ。この曲はモーリス・ラベルの有名なバレエ曲「ボレロ」をアレンジしてカバーしたもので、聞けば誰もが歌いたくなるメロディーである。
 「All My Love」はチャートの1位を5週間も続けたが、その割に影が薄い。次に出した「テネシーワルツ」がトップ10在位26週、うち13週首位というメガヒットとなり、全世界で1000万枚を売り上げ、知らない人がいないスタンダードの名曲*2となったためだ。
 その後も彼女は「モッキンバード・ヒル」「(How Much Is)That Doggie in the Window=わんわんワルツ」「Cross Over the Bridge」「Changing Partners」*3など多くの人に知られるヒット曲を数々生み出し、57年に米国の最も人気ある女性歌手に投票で選ばれた。
 時は流れて1997年、70歳の彼女は、カーネギーホールでデビュー50周年記念ライブを行い、これを収録したアルバムがグラミー賞の最優秀スタンダード歌手賞を受賞、さらに2007年には「ヒットパレードの殿堂」入りし、08年には81歳で新アルバムを発表したほか、ラジオ番組の司会も最近まで続けたという。パティ・ペイジ85歳。ご冥福を祈る。
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 皆様新年おめでとうございます。本文に書いたような事情で、今年最初のコラム「惰学記」は「A」に戻ることになった。お許しいただきたい。
 さて、この歌シリーズ・アルファベット編はAからFまでしか進んでいないのに、番外編が既に3曲も入ってしまった。26しかないアルファベットの1文字に1曲ずつでは到底書ききれない気がしてきたので、予定を変更して今年から1文字につき2曲(QとかX、Zなどはなかなか難しいが)を原則とすることにした。というわけで次回はBの2曲目になる。
 
*1 多重録音は今では珍しくもないが、ウィキペディアによれば、1つの楽曲に多重録音の手法を用いた最初の歌手がパティ・ペイジだそうだ。ウィキペディアには「彼女のいくつかのレコードでは "Vocal by Patti Page, Patti Page, and Patti Page" とクレジットされており、特に『With My Eyes Wide Open I'm Dreaming』には "The Patti Page Quartet"と表記されている」と書いてある。
*2 「テネシーワルツ」は1946年にビー・ウィー・キングが曲を作り、2年後にレッド・スチュアートがあの有名な歌詞をつけた。56年にテネシー州の週歌の一つに選ばれている。ご存知の通りこの曲は日本でも和田壽三が1952年に作った日本語版訳詞で江利チエミがカバーして大ヒットした。なお昨年、「残酷な天使のテーゼ」などの作詞家・及川眠子が失恋と無関係な全く新しい歌詞を「テネシーワルツ」につけ、新葉ななという新人歌手がリリースしている。
*3 「(How Much Is)That Doggie in the Window=わんわんワルツ」は彼女のボーカルの合いの手に「わんわん(英語だからbow-wow?)」という犬の鳴き声が入るコミカルな曲で、53年の1位曲となった。「Changing Partners」はテネシーワルツの二番煎じみたいな曲だったが、パティの「ブランド力」でヒットした。




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