「R」の3曲目、番外編で「Rawhide*1」を取り上げたい。1960年前後のテレビ草創期、東京ではNHK、日テレ、KR(現在のTBS)の先行組に続き、フジとNET(現テレ朝)が相次ぎ開局した*2ものの、番組制作能力が追いつかかず、NHKを含め各局が米国の人気テレビ番組を競って輸入、ゴールデンタイムの番組の多くが米国製という時代だった。 |
「ハイウェーパトロール」など警察ドラマやサスペンスもの、「アイラブ・ルーシー」に代表されるコメディー、「スーパーマン」をはじめとする児童向けドラマなど様々なジャンルの作品が視聴率を取ったが、何といっても一番人気は西部劇で、小6から中2にかけて私もすっかりハマったことは、かつて数シリーズの「コルト45」で書いた*3ことがある。 |
中でも「ローハイド」は我々の同級生仲間で断トツの人気があった。「ローレンローレンローレン」で始まる歌詞*4は当時意味不明に思えたが、斬新なメロディーとフランキー・レーン*5の低音が刺激的で、当時中学生に成り立ての私は、この歌の力強さとドラマの面白さをきっかけに西部劇ファンになった。3000頭の牛をテキサス州サンアントニオからミズーリ州セデリアまで約1,300km運ぶカウボーイたちの物語で、隊長のフェイバー(エリック・フレミング)、若いカウボーイのロディ(クリント・イーストウッド)、料理人のウィッシュボーン(ポール・ブラインガー)らを中心とする群像ドラマだった。牛を連れての旅の途中に立ち寄る場所での事件やエピソードが1話ごとに完結し、物語が続く趣向だ。 |
「ローハイド」は米国で大当たりして、1959年1月から65年末まで7年間に217話も制作され、日本ではNET系列の看板番組として59年11月~65年10月の間に203話*6が放映された。クリント・イーストウッドがこの番組をきっかけに、マカロニウエスタンの主役に抜擢されてイタリアに渡り大成功、大スターとなったのは知られている通りだ。 |
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