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ニュース報道雑感

 最近の新聞やテレビのニュース報道を見て感じたことを3つばかり書いておきたい。
 最初は、トリノ五輪報道への疑問である。オリンピックのたびに思うが、テレビがなぜあんなに過剰なメダル期待をあおるのか理解できない。冷静に考えて8位以内、すなわち入賞圏内と思える選手はすべてメダル候補、メダルが期待できるレベルだと「金メダル」とはやし立てるのが常である。あげくに、結果が出たら「まさかの×位」「まさかの予選落ち」と「まさか」を連発して、重圧に負けた選手のせいにするのが常態化している。大会が終わるまでは、彼我の力関係を的確に分析した冷静な報道をしてはいけないという暗黙の了解があるような「翼賛」報道ぶりに眉をひそめている人は少なくないと思うのだが、あまり反省は聞かれない。
 悪く考えると、結果が芳しくないことが最初から分かっていて、事前にできるだけ騒ぎ立て、誇大宣伝して、実況中継の視聴率を稼ごうという魂胆にも見える。自分たち報道ぶりが、かえって選手にプレッシャーをかけすぎ、結果的に、選手の実力発揮を妨げたのではないかという反省のカケラも感じられない無責任報道が繰り返されているように思えて腹立たしい限りである。その強烈なプレッシャーに耐え、金メダルに輝いたフィギュアの荒川選手は本当にすごいし、他の選手たちもよく頑張ったと思う。
 二番目はコニカミノルタがカメラ部門から完全撤退するという話である。デジカメ全盛時代で、携帯電話付属カメラも性能がアップしているため、フィルムカメラが窮地に立っているのは分かっていたが、「ついに」である。フィルム業界とカメラ業界の雄が合併して誕生した企業が創業部門から完全撤退し、デジカメ生産からも手を引くのだから大変なことである。かつての8ミリカメラのようにフィルム入手自体が困難な時代になりそうだ。「私が昔大枚をはたいて買ったミノルタα7700はどうなるんじゃ、責任者出て来い」である。
 そして最後は高松塚古墳の壁画に関するニュースだ。私が駆け出し記者として奈良支局に配属されて1年もたたない時に発見され、1300年の眠りから覚めた飛鳥美人の絵である。文化庁の保存策のまずさから、30余年を経てカビや剥落によって劣化していることは前から伝えられていたが、その決定的な姿の写真が2月10日の各紙に掲載された。
 各社の見出しはほとんど同じで、「飛鳥美人」にしみ(毎日)、「飛鳥美人」顔にシミ(朝日、読売)、「飛鳥美人」に黒いシミ(日経)だったが、産経だけが、飛鳥美人"泣きボクロ"としゃれた見出しになっていた。恐らく、「黒いシミ」は文化庁の発表通りなのだろうが、あまりにも風情のない情緒に欠けた心ない見出しに思える。保存が悪くて酷い目にあっている「飛鳥美人」の身になって、その思いを「泣きボクロ」と表した産経の編集者の方が圧倒的に優れている。こんな見出しがついた時の編集者は思わずガッツポーズだろう。


高松塚古墳の飛鳥美人壁画にシミがついたことを伝える2月10日の各紙=右から毎日、朝日、読売、産経、
左上が日経(いずれも大阪本社版)
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