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はい チーズ

 仕事柄、人と一緒に写真を撮る機会が多い。市長室への表敬訪問者、さまざまな大会に出場する前や、好成績を収めて後に、報告に訪れる選手たち、そして市主催の行事で表彰された人たちなど、シーズンによっては1日10回以上も記念写真を撮ることがある。
 これは前々から言われていることで、いまさら私が指摘するのもどうかと思うが、写真撮影の際、気になることがある。専門のカメラマンや市の広報担当者は言わないのだが、それ以外の撮影者の多くが、シャッターを切る前に「はい チーズッ」と声をかけることだ。
 「はい チーズッ」は英語の「say cheese」を輸入したもので、米英では確かに撮影時にそう言うようだ。今から50年以上前、母が毎回買っていた「暮しの手帖」という季刊雑誌に、主婦の写真講座みたいな企画が掲載され、小学生時代からカメラに興味のあった私はむさぼるように読んだので、中に「写真を撮られる時、『チーズ』と言ってみましょう」と書いてあったのを今も覚えている。それが「はい チーズッ」定着のきっかけだったとすれば「暮しの手帖」の罪は重い。日本語と英語の発音の違いを無視した輸入だからだ。
 言うまでもなく英語の単語には母音で終わる語はほとんどなく、英語のチーズは、「z」で終わる。つまり、写真を撮る時は笑顔に見えるように、「チーズ」と言って上下の歯を合わせて口を横開きにした形を作りましょうというのが「say cheese」の趣旨なのである。ところが日本語では、チーズは「zu」で終わるので、最後に口をすぼめることになる。これでは笑顔とは程遠く、むしろキスをするような口元になってしまうのである。
 インターネットで調べていたら、「異なる文化を楽しみながら学ぶ事典」というホームページの「世界の『はい、チーズ!』(笑顔の写真を撮るときどう言う?)」というコーナーに遭遇した。各国に住んだことのある人からの書き込みを紹介しているのだが、それによると、韓国では『キムチ』、中国ではチーズと似た発音の『茄子(チェズ=qiez)』、タイでは『ペプシ』とか『グラミー』、アルゼンチンでは『ウィスキー』、オーストラリアでは『チーズ』も使うが、『One, Two, Three』とも言うと書かれている。日本でも「1たす1は?」と撮影者が聞き、写される側が『ニー』と答えるのが流行した時期があり、今も一部で採用されている。また、東京ディズニーリゾートでは『笑ってミッキー』と『ハイ、ミニー』が使われるそうで、いずれにせよ、「z」か、あるいは歯は合わせないが、口は横に開く「イ=i」で終わる口の形が写真撮影に向いているというのが各国共通の認識のようである。
 この書き込みで笑ったのは、「大阪USJでは、係りの人が『はい、ジョーズ』と言って写真を撮っています」というものだ。本当らしいが、関西風のジョーズなジョークだ。


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