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114号事件

 1984年3月18日の江崎グリコ社長拉致事件に始まった「グリコ・森永事件」を警察ふうに言うと「警察庁指定広域第114号事件」となるので、惰学記数シリーズ114回にこの事件のことを書くつもりで、かなり前から準備していた。ところが、掲載直前に愛犬の死という不測の出来事があり、114回は「ワンワン死(114)す」になってしまったため、グリコ・森永事件についての惰学記は「余談独談」に衣替えして登場となった次第である。
「かい人21面相」を名乗る犯人グループが、毒入りの菓子類をスーパーやコンビニなどにバラ撒き、江崎グリコ、森永製菓をはじめ、丸大食品、ハウス食品、不二家、駿河屋などの食品メーカーを脅迫して現金を要求、マスコミに次々挑戦状を送りつけ、警察当局を翻弄し続けた末、翌85年8月12日に「くいものの会社 いびるの もうやめや」と「声明」して終わった「昭和最大の劇場犯罪」である。あれからもう20年以上が経つわけだが、犯人グループはついに逮捕されず、全事件が2000年2月を最後に時効となった。
 このホームページの「自分史」でも触れたが、事件発生当時、私は毎日新聞社の大阪整理部にいたので、大阪社会部が総動員で連日早朝から深夜まで取材に走り回っていた様子が今も思い出される。特に、84年6月のアベック襲撃事件(グリコに3億円を要求した犯人グループが、アベックを襲って女性を人質に取り、男性を指定場所に行かせ、警察が男性を犯人と誤認し、逮捕した事件)や名神高速を舞台にした11月のハウス食品事件(1億円を積んだ現金輸送車を用意させ、次々指示を出して名神高速に入らせ、栗東インター付近で現金を落とすよう要求、下の一般道でライトバンに乗って投下を待っていた犯人を、事情を知らずに通りかかった滋賀県警のパトカーが職務質問、カーチェイスの末取り逃がした事件)など、警察が21面相に振り回されるのを歯がゆい思いで見ていたのが忘れられない。あの事件を境に日本の警察の威信が低下し、犯罪検挙率が落ちたような気がする。
 ハウス事件での不手際で批判を受けた滋賀県警の山本昌二本部長が、退任直後の85年8月7日に自殺、その5日後の12日に「終結宣言」が犯人グループから届いたのだが、その日は奇しくも520人の死者を出した日航ジャンボ機墜落という大事件があった日で、ハウス食品の浦上郁夫社長はその日航機に乗り合わせ、死亡した。因縁話めいている。
 高村薫「レディ・ジョーカー」、内田康夫「白鳥殺人事件」など、この事件を題材にした小説も多いが、興味深いのがノンフィクションの「闇に消えた怪人―グリコ・森永事件の真相」(一橋文哉=新潮社)と、最近出た「グリコ・森永事件『最終報告』真犯人」(森下香枝=朝日新聞社)の2冊である。克明な独自取材に基づき、警察が犯人グループに迫りながら決め手をつかめなかった経緯に迫り、事件の真相に肉薄しているように見える。

グリコ・森永事件を「追跡」した2冊の本

グリコ・森永事件を「追跡」した2冊の本。「闇に消えた怪人――グリコ・森永事件の 真相」(新潮社)と「真犯人――グリコ・森永事件『最終報告』」(朝日新聞社)



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