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続・言い間違い

 「クイズ!ヘキサゴンU」で、漢字を読めない「おバカタレント」が、視聴者の優越感を満足させて人気になった時期に、総理大臣が、踏襲を「ふしゅう」、頻繁を「はんざつ」、未曾有を「みぞうゆう」と言い間違えて、新聞などに大きく書かれ、一気に評判を落とした。いまさら取り上げるのもいかがかと思うが、子どもたちが「お勉強が出来ない方が有名になれる。漢字なんか読めなくてもいい」と勘違いしてしまうことが心配だ。総理は「たいしたことじゃない」という態度で、マスコミとの距離を広げてしまったが、「お恥ずかしい。アイ・アム・ソーリー」と笑い飛ばしてしまえばよかったのに、と残念に思う。
 一方で、政治家やアナウンサーや言い間違いをすると、鬼の首を取ったように指摘する風潮が強まったのも気になる。昨年12月9日付け毎日新聞の「仲畑流万能川柳」で「女子アナがチャドウと呼んでいた茶道」という句が秀逸作に選ばれていた。「茶道」は「サドウ」と読むのが正しいのに、常識に欠ける女子アナが「チャドウ」と読んだと笑っているわけだが、実はサドウもチャドウも正解で、表千家は「サドウ」、裏千家は「チャドウ」と呼ぶのが普通なのである。この句を秀逸作に選ぶということは、作者はもちろん選者も、「サドウ」「チャドウ」どちらも正しいことを知らなかったとしか思えない。さすがに読者から多数の投書があったようで、9日後の12月18日朝刊3面の「なるほドリ」という読者の質問に答える欄で訂正めいた記事が載った。選者はどちらも正しいと知りつつ「常識の落とし穴に気づかされる句」として選んだという極めて苦しい言い訳で、潔くない訂正だった。
 自分が思い込んでいる読み方が実は間違っていたということは、誰でも経験があることで、私も最近、三倉茉奈・佳奈主演のNHK朝ドラ「だんだん」の主題歌「縁(えにし)の糸」(竹内まりあ作詞作曲・歌)の歌い出し「袖振り合うも多生の縁と」が間違いではないかと気になった。「袖擦り合うも……」と覚えていたからで、改めて辞書などで調べると、両方とも正解らしく、故事ことわざ辞典には両方出ていた。ただ、広辞苑や他の辞書は「袖振り合うも」を掲げ、「袖擦り合うも」「袖の振り合わせも」などとも言うとしていた。
 そこで「NHKドラマホームページ」を見ると、番組紹介で主題歌の歌詞を掲載し、制作統括者の署名入りで<「道で見知らぬ人と袖が触れ合うのも深い因縁によるもの」という意味で、現在では「袖擦り合う」「袖触れ合う」などさまざまな言い回しが使われる。また、「多生」は「他生」とも書く。放送文化研究所と検討し、古くから使われていて国語辞典にも多く記載されている「袖振り合うも多生の縁」にした(一部略)>と書いてあった。どちらかといえば「袖振り合う」が一般的だということである。考えてみれば、NHKが毎日流す歌の歌詞が間違っていたら抗議殺到となる。事前に調べてないはずがなかった。

 ※<余談独談><惰学記>いつもご愛読ありがとうございます。あまり新年にふさわしい話題ではありませんが、時事ネタなので余談独談からスタートすることにしました。この後は惰学記が2回続く予定です。皆様、今年もよろしくお願いいたします。

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