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相棒

 映画は見に行き出すと癖になる。先日も公務のない晩に「インディ・ジョーンズ クリスタルスカルの王国」を見たが、その前、5月の連休には「相棒−劇場版−絶体絶命42.195km」を見た。「相棒」シリーズは、やや変わり者で、警察の出世コースから外れているが、実は鋭い勘と知識を備えている上級職の杉下右京(水谷豊)と、ハートと体力だけの刑事・亀山薫(寺脇康文)という「たった二人の特命係」が、警視庁の「本流」捜査官には真似のできないような切り口で事件を解決していくのが定番で、妻も私もテレビでよく見る。
 劇場版は、ニュースキャスター、裁判官、テレビコメンテーターも務める美容クリニックの医師が次々猟奇的殺人の被害者となり、テレビのシリーズにも登場した野心満々の女性代議士片山雛子(木村佳乃)も標的にされる。犯人はインターネットを駆使し、チェスの棋譜を暗号に、次々にクイズのような爆破予告を送り、右京がそれを解くという「ダイ・ハードV」を思わせる展開で、その日開催の東京ビッグシティマラソンが「人質」にされていることが判明する。マラソンランナーと観客数万人の運命は……というお話である。
 この劇場版で興味深いのは、筋立てがメディアやネット万能の現代社会を批判する強いメッセージ性を持っていることで、とくに批判の矛先がマスコミの無責任な報道姿勢に向けられているように見える点である。ややネタバレになるが、連続殺人事件の数年前、テロ多発地域でボランティアをしていた青年がゲリラに捕まったのは、退去勧告の伝達が遅れたせいなのに、失態を糊塗したい役人と政治家が、青年が退去勧告を無視したための自己責任だと主張、ゲリラ側の仲間の釈放要求を拒み、マスコミがそれに乗せられて、テレビのキャスターやコメンテーターが一斉に自己責任論をぶち上げ、ヒステリックな報道の影響で一般市民までが青年とその家族をバッシングする。国家とマスコミに見捨てられた青年は結局ゲリラに殺されてしまう――という過去の「事件」が背景になっている。ついこの間、イラン南東部で8ヵ月前に誘拐された男性が無事解放されたが、数年前にも映画とよく似た事件が現実に起きており、今回の作者がそれらを題材にしたことは明らかだ。
 自己責任論については意見がいろいろあると思うが、少なくとも、事実をよく調べもせずに役所や政治家の言葉を鵜呑みにして個人をバッシングするようなテレビキャスターやコメンテーターと、彼らに極論を言わせて視聴率を狙うテレビ局の体質を、テレビ朝日制作の作品が批判しているのは興味深い。もっとも、「朝日らしいエエ格好」とも言えるが…。
 ただ、気になったのは片山雛子代議士のオフィスである議員会館の建物が上等すぎることだ。出張時に度々訪れるが、本物はもっと狭く、窮屈な部屋に議員と何人もの秘書がひしめき合っている。豪華なロビーらしきものもないので、誤解のないよう申し添えたい。



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