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「変」

 恒例となった清水寺貫主による「今年の一字」は「変」であった。サブプライムローン問題に始まった米国の金融危機が世界経済に大打撃を与え、100年に1度の大不況を招いたことはもちろん、「誰でもいいから殺したかった」という秋葉原連続殺傷事件はじめ、「世も末じゃ」と思いたくなる「変」な事件が続発した後味の悪い1年を象徴する字*である。
 まずは振り込め詐欺の横行である。息子や孫を装って「事故を起こした。示談金を」とか「ガールフレンドを妊娠させた」などと電話をかけ、金を振り込ませる「オレオレ詐欺」は03年ごろから急増し、「還付金詐欺」「融資保証金詐欺」「架空請求詐欺」などの手口が現れるようになった。これらをまとめて警察庁が「振り込め詐欺」と命名したのは04年末だが、警察庁が銀行のATMをパトロールするなど取り締まりを強化したのは今年後半のように思える。しかも12月には京都家庭裁判所書記官が判決文を偽造して、振り込め詐欺の疑いで凍結されている預金口座を解除させ、他の口座に金を移し換えた疑いで逮捕された。裁判所の書記官が振り込め詐欺の上前をはねるとは、まさに世も末ではないか。
 飲酒運転をして通行人をはね、被害者を何kmも車で引きずったまま逃げて死なせる事件が大阪で2件も続いたのもショックだった。飲酒運転の罪が重くなった結果、轢き逃げ事件が増加しているといわれる。飲酒運転で事故を起こした場合、すぐ届けると飲酒がばれるので、逃げて酔いを覚まし、飲酒の証拠を隠滅した方が得だという意識が悪質ドライバーに働いているようで、これも典型的なモラルハザードの現れだと考えられる。
 大阪府熊取町で5年半前に起きた小学女児行方不明事件をタネに、娘の無事を祈る親心につけ込んで7000万円を詐取した疑いで男女が逮捕された事件もひどい話である。そうかと思えばわが和歌山市では36歳の母親が中学生の娘に「携帯電話の代金が高すぎる。売春して金を払え」と強要し、100万円を稼がせてパチンコなどに使った事件が発覚した。
 そもそも、食用には不適な事故米を農水省が業者に安い値で売却し、業者が正規の米に混ぜて売ったり、加工食品材料として販売するのを見て見ぬ振りをしていたことや、年金問題では、社会保険庁が企業に従業員の給与を実際より低く届けるよう「指導」し、掛け金の差額を浮かせて入金率を上げていた組織的不正が明るみに出た。改ざんされた従業員は、正規の給与に見合う掛け金を天引きされながら、受け取れる年金額は本来の受給額より低くなってしまうわけで、これはお上による計画的詐欺である。役所がこの調子では、「バレなければ何をやってもいい」と悪知恵を働かす人が増えるのも不思議はなく、お上を信じ、人を疑わない高齢者をはじめとする正直な庶民は、だまされて泣くばかりである。
 変な世の中になったと嘆きながら、「よいお年を」と言わなければならないとは……。

 *一般にはオバマ次期米大統領が掲げた「CHANGE」すなわち「変化」の「変」とされているが、私は「世の中が変だ」の「変」だと思う。

清水寺の森清範貫主がしたためた今年の一字「変」=インターネットより



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