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ちりとてちん

 NHKの朝ドラは、10月に始まる大阪制作の方が最近面白い。前年の「芋たこなんきん」は藤山直美、国村隼という中年主人公が味のある演技で見せてくれたし、現在放送中の「ちりとてちん」も、主役の貫地谷しほりが夢見るだけで根性なしのダメ娘なのが新鮮である。
 朝ドラは毎朝8時15分からだが、BSはひと足早く7時30分から放送される。私はBSで朝ドラを見終わって7時45分に役所に向けて出発するのが通常で、いわば惰性で見続けているのだが、東京制作ものは頑張り屋でお節介なヒロインがいろいろなことに首を突っ込んで騒動を起こし、周囲に助けられて成長するという定番で、やや食傷気味だった。
 さて、貫地谷しほり演じる主人公喜代美は、福井県の若狭地方で塗り箸製造業を営む和田家のダメ娘である。亡き祖父正太郎(米倉斉加年)は名工だったが、後継ぎの息子正典(松重豊)は頼りなく、正太郎の弟子だった同じ和田姓の秀臣(川平慈英)は今や近代的塗箸工場の社長となり羽振りが良い。秀臣の娘・清海(佐藤めぐみ)は喜代美の同級生だが、同姓同名の2人は小学校時代から比べられる存在で、喜代美は常に美人でアイドルの清海にコンプレックスを抱いていた。清海は大阪の大学に進み、タレントにスカウトされたが、喜代美は大阪に出たものの行き場がなく、落語界から干され、飲んだくれていた落語家草若(渡瀬恒彦)の家で内弟子修業を始める。草若は喜代美が持つ落語の登場人物のようなキャラに動かされ復活、離散していた弟子も戻り、一門の落語会が細々と行われるようになり、内弟子修業を終えた喜代美は二番弟子の草々(青木崇高)と紆余曲折の末結ばれるが…。
 例によって主人公の周りを固める脇役陣(木村祐一、松尾貴史、江波杏子、京本政樹、桂吉弥、茂山宗彦、渡辺正行、竜雷太ら)が達者で、落語の登場人物を思わせるやりとりを披露、それが古典落語普及促進の役割も果たしている。特に喜代美の母役の和久井映見が、かつての美女キャラを見事脱却し、オーバーな演技で存在感を示しているのがすごい。
 ところで、「ちりとてちん」で個人的に考えさせられたのは、字は違うが同姓同名のためA子、B子と呼ばれる「2人のキヨミ」の設定である。実は、古い話だが私の娘が小学校の時、同じクラスに「大橋 永」君という男子がいて、その子が「永(えい=A)君」、うちの娘は「B子さん」と呼ばれていたのである。担任の教師がそう呼べば、クラスの子は面白がってみんな同じ呼び方をするようになる。これは言わば「いじめ」の端緒ではないだろうか。担任はそんなことが子ども心を傷つけるなどとは夢にも思ってなかっただろうが、「B子さん」と呼ばれる方は、本人も両親も決して喜んではいないのである。ドラマではA子=清海が東京に行ったという設定で最近登場しないので、内心ホッとしている。
 それにしても、こんなに面白い「ちりとてちん」の視聴率が上がらないのは残念である。


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