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新型インフルエンザ

 メキシコに端を発した新型インフルエンザは、日本では一時のパニック状況は脱したものの、世界的には依然感染が拡大しており、特にオーストラリアなど冬場に入った南半球で猛威を振るっている。今のようなグローバル時代には、ウィルスがいつ何時再び入ってきても不思議ではなく、現に最近も福岡市はじめあちこちで集団感染者が出ている。
 ウィルスが南半球で生き永らえつつ変異を繰り返し、もっと毒性が高く、感染力の強いウィルスに変身して、冬に我が国を襲うと警告する専門家もおり、その可能性も否定できないが、かといって余り厳戒態勢をとると、経済活動や人の動きが止まってしまい、結果的に地域経済に重大な影響を及ぼす。大阪・兵庫の集団感染による近畿地方の経済的損失は43億円に及ぶという。行政を担当してつくづく感じるのは危機管理の難しさである。
 今回のケースでは、最初、メキシコで死者が続出し、感染が米国経由で世界各地に広がったため、WHOも日本の厚生労働省も、猛毒性である鳥インフルエンザを想定した危機管理体制を敷き、地方自治体にもそれを求めた。この時点では当然の判断だったと思う。
 しかし、感染が広がるにつれて、(1)今回の新型ウィルスは猛毒性ではなく、症状は普通の季節性インフルエンザと変わらない(2)感染力は強く、中高校生や20歳代の若い人が感染しやすい(3)だが、感染すれば重症になる確率の高い高齢者にはほとんど感染しない――などが分かってきた。そうなると難しいのは、感染しやすい中高校生が集団で移動する修学旅行、施設見学、スポーツ大会などの行事を予定通り行うかどうかである。
 和歌山市も当初は大変神経質になり、5月中旬に和歌山を訪問することになっていた姉妹都市・カナダ・リッチモンド市の中学生らの受け入れをどうするか非常に悩んだ。結局、生徒たちのホームステイ先の家族が積極的に受け入れを表明してくれたおかげで、予定通り迎えることができたが、ちょうど来日するころに大阪・兵庫で高校生の集団感染が起きて世間が大騒ぎとなったため、彼らが帰国するまでは綱渡りのような日々であった。
 5月27日になってハワイ帰りの28歳男性の感染が確認されたが、学校を休校したり、修学旅行やスポーツ大会、各種集会などを中止するといった「過剰な」反応を避けた。
 感染者の帰国後の接触者が限られていて、児童生徒はいなかったので、柔軟対応すべきだと考え、子どもたちの思い出づくりには欠かせない学校行事を優先したのだが、この結果、もし2次感染者が出ていたら、マスコミに激しく批判されたかもしれない。結果的に市の判断は正しかったが、非常に幸運だったとも言える。大阪・兵庫で感染が拡大していた時期だったら、こんな「冷静な」判断はできなかったと思う。いずれにせよ、油断は大敵である。秋以降の大流行がないことを祈るが、今回の教訓を基に、万全の備えをしたい。

  <注>今回、昼夜を問わぬ警戒態勢を敷いて新型インフルエンザ対策に当たった保健所や危機管理部の職員はじめ、各課から対策本部の応援に行って奮闘した大勢の職員に心から感謝したい。


6月4日、市役所庁議室で開いた和歌山市新型インフルエンザ対策本部会議(オレンジ色のシャツが私)は開会から終了まで報道陣に公開された


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