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短命政権
 9月16日、先の総選挙で惨敗し、政権を民主党に明け渡すことになった麻生太郎内閣が総辞職し、麻生さんは在任358日で総理の座を退いた。前の福田康夫総理が在任365日、その前の安倍晋三総理が366日と、3代続けて約1年の短命に終わったわけである。
3政権の前の小泉純一郎総理が、新憲法下では佐藤栄作(2798日)*1、吉田茂(2616日)両氏に続く3位の1980日、約5年半も政権の座にいたので、3政権の短命さがことさら際立つ感じだが、調べてみると、約1年という「寿命」は、そう短いわけではない。鳩山由紀夫新総理を除き、新憲法下で首相になった26人のうち、麻生さんの在任期間は20位で、もっと短かった人が6人もいるのである。特に在任64日の羽田孜、65日の石橋湛山、69日の宇野宗佑の3氏が極端に短く、芦田均(220日)、細川護煕(263日)、片山哲(296日)の3氏が続く。6人のうち4人が少数政党による連立政権の首相だったことが特徴だ*2。
明治憲法下の初代首相・伊藤博文までさかのぼると、内閣総理大臣になった人は鳩山新総理を含め60人*3だが、このうち在任期間が400日未満だった首相は22人もいる*4。しかし、3人続けて1年ないし1年以内というケースは今回が3度目で、極めて少ない。
過去2回は1939(昭和14)年1月就任の平沼騏一郎(238日)、同年8月就任の阿部信行(140日)、40年1月就任の米内光政(189日)の3首相と、1944年7月就任の小磯国昭(260日)、45年7月就任の鈴木貫太郎(133日)、同年8月就任の東久邇宮稔彦(54日=歴代の最短命記録である)、同年10月就任の幣原喜重郎(226日)の4首相のケースで、いずれも太平洋戦争開戦直前と終戦前後という国家の存亡に関わる時期のことだ。
私が毎日新聞社に入った1971年、戦後最長の佐藤首相が退陣して以後、田中(886日)、三木(747日)、福田(714日)、大平(554日)、鈴木(864日)*5の5首相が次々交代し、「総理2年の使い捨て」などと揶揄された。次の中曾根康弘首相は戦後3位、1806日という*6長期政権だったが、あとの竹下、宇野、海部、宮沢各首相は、576、69、818、644日と、「使い捨て」に戻り、93年の自民党下野となる。しかし誕生した非自民連立政権も細川、羽田両内閣合わせて1年に足りない短命に終わり、自民党が社会党の党首を総理に担ぐ奇策で政権に復帰、561日の村山政権を経て再び自民党の首相が続く。橋本政権は932日続いた*7が、後の小渕(616日)、森(387日)両政権は短命で、「自民党をぶっつぶす」と叫んだ小泉さんの異例の長期政権を挟んで「1年総理」が3人続いたのである。大きな流れとしては総理がついに「1年の使い捨て」となったことを示す3代だったわけだ。
短命総理が当たり前という使い捨て状態が、自民党政権の制度疲労の結果とすれば、今回の総選挙による政権交代で終止符が打たれるかもしれない。今後の流れに注目したい。

 *1 明治憲法下の総理を含めると、在任期間最長は桂太郎だが、桂は飛び飛びに3度首相になっており、連続の首相在任期間トップは佐藤である。また初代伊藤博文も通算在任期間は2720日で3位だが、これも飛び飛びの在任で、吉田、小泉、中曽根3首相の方が連続在任期間は長い。なお、吉田首相も1度下野して首相に復帰したが、以後連続2394日総理の座にあったので、連続在任期間も歴代2位である。
 *2 片山内閣は戦後第1回総選挙で比較第1党となった社会党党首・片山哲を首班に、民主党(芦田均総裁)、国民協同党(三木武夫書記長)の連立政権、芦田内閣は片山内閣が社会党内の対立で崩壊した後を受け、同じ3党連立でスタート、昭電疑獄という汚職事件で総辞職に追い込まれ、自由党の吉田長期政権へと政権が交代した。細川内閣は93年総選挙での自民党分裂、過半数割れを受けて、社会・公明、新生、日本新、さきがけ、民社、社民連、民改連の非自民非共産8党派連立で誕生したが、国民福祉税構想などをめぐって内部対立が激化、自身の金銭問題を自民党に追及されて細川総理が辞職した。続く羽田内閣は細川内閣の与党第1党だった社会党と官房長官の武村正義氏率いる新党さきがけが政権を離脱し、少数与党での船出となって新年度予算成立直後に総辞職、2か月余の短命に終わった。なお、石橋内閣は首相が就任直後脳梗塞を発症、副総理だった岸信介に政権を委ねて辞任、宇野内閣はリクルート事件で辞任した竹下登首相の後を受けて誕生したが、女性スキャンダルが発覚し、直後の参院選で土井たか子氏率いる社会党に惨敗して政権を去った。
 *3 一度退陣して再び政権に就いた場合や、新憲法下で総選挙を経て続けて首相に就任した場合には代数が変わるため、現在の鳩山由紀夫首相は第93代内閣総理大臣ということになる。
 *4*5 22人のフルネームなどは別表を参照願いたい。
 *6 中曾根首相の記録は後に小泉首相に抜かれ、現在は第4位である。
 *7 橋本政権は「自社さ連立」の302日と「自民単独」の630日の2期に分けられる。自民単独になったのは96年10月の小選挙区比例代表制初の総選挙以後だが、2年後の7月に参院選で惨敗し、総辞職している。衆院選挙が小選挙区比例代表並立制になって以来2年以上持った総理は小泉さん1人ということになる。
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