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世界暦
まだ年の初めの1月なので、暦の話をしたい。ほとんどの国が使っている現在のグレゴリオ暦*1は、曜日が毎年変わり、1ヵ月も31日だったり30日だったりで、2月は28日しかないなど複雑なため、もっと簡明な暦にしようと、過去何度も改革案が出されてきた。
代表的なものの一つが「13ヵ月暦」で、1ヵ月を4週28日、1年を13ヵ月52週(364日)とする。余った1日は曜日なしの大晦日休日とし、閏年は6月末に曜日なしの休日を入れる案である。曜日が毎月同じで便利だが、割り切れない13ヵ月というのが厄介だし、13という数字自体キリスト教世界では不吉だとされている。また、誕生日や結婚記念日などが29日以後にある人は、記念日消滅となるので、まず採用されることはなさそうだ。
有力なもう一案が「世界暦」で、大晦日と閏年の6月末日が曜日なしの休日なのは同じだが、残る364日=52週を4等分し、1、4、7、10月を31日、他の月は30日とする3ヵ月単位の分かりやすい暦だ。米国のエリザベス・アケリスという女性が提唱、1930年に「協会」を結成し、73年に死去するまでローマ法王庁や国連など各方面に採用を働きかけた。
実は1961年1月1日の日曜日を期して世界暦に切り替えるという提案が国連に出されるところまで行ったが、反対が多く、結局、審議されなかった。なぜ反対が多かったのか。
1月1日を日曜日とすると、「13日の金曜日」が年4回もできるので、キリスト教徒が嫌がったという説がある。だが逆に1月1日を月、水、金、土のどれかにすれば、永遠に13日の金曜日がなくなる。もっとも、13日の金曜日が暦から全く消えると、それにまつわる伝承や小説、ドラマが成り立たなくなるので、「いかがなものか」という意見もありうる。
有力なのは、一神教の世界では「曜日は神が1週間で世界を作った時から連続しており、曜日のない日は神を冒涜する」という説である。イスラム教では預言者ムハンマド(マホメット)がメッカからメディナに移った聖遷の日を紀元1年1月1日とする1年=354日の純粋太陰暦が使われている(2010年1月1日はイスラム暦1431年1月15日)が、そのイスラム教徒も、キリスト教・ユダヤ教世界と天地創造の神話を共有しているため、曜日だけは現在イスラム世界以外で使われているグレゴリオ暦と共通となっている。世界暦を採用すると、太陽暦の国々とイスラム世界では、曜日まで違ってしまい、対立がいっそう深まるので、「曜日問題」がネックとなって世界暦が不採用となったと見るわけである。
実は私は3月、5月、8月の31日がなくなり、誕生日や記念日を失う人と、カレンダー業界の関係者の猛反対が最大の理由と思っていたが、イスラム教への配慮という理由なら納得できる。キリスト教・ユダヤ教徒に説明しにくく、「神への冒涜」という前時代的、反地動説・反進化論的な理由を挙げた方が説得力があったというのはそれなりに理解できる。

*1 ローマ時代の紀元前8年から使われてきたユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)皇帝の定めた太陽暦は、1年を365.25日とし、4年に1回閏年を設けて端数を調節する仕組みだったが、実際には1年は365.2422日であり、1600年を経た1582年には約10日も暦のずれが生じていた。ローマ教皇グレゴリウス13世が、このずれを正しくし、西暦年が4で割り切れる年のうち、100で割り切れる年は、400で割り切れる年以外は閏年としないことで、閏年の回数を400年に97回に減らす新しい暦(グレゴリオ暦)を決めた。この暦が今も使われており、400で割り切れる西暦2000年は閏年となった。次の100で割り切れる年、2100年は閏年にはならない。


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