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カプセルが来た!
 7年間、約60億kmの旅を終え、小惑星イトカワから太陽系誕生の謎解明のカギとなる砂粒を採取したカプセルを持ち帰って地球に落とし、自らは流星となって散った小惑星探査機「はやぶさ」については、昨年11月の余談独談に書いたが、あまり良いことのなかった昨年の日本で、唯一我々を勇気付けてくれる、夢と希望に満ちた明るい話題だった。
 その「はやぶさ」が持ち帰ったカプセルが和歌山市のフォルテワジマで1月15日から4日間展示され、時折雪も舞う寒さの中、多くの宇宙ファンがカプセルの実物を見に訪れた。
 主催したのはフォルテワジマと縁の深い鞄精機製作所*1だが、島精機は無縫製ニットをコンピュータ操作で立体的に編み上げる「ホールガーメント」機の世界的メーカーで、土井隆雄さんや山崎直子さんら日本人飛行士の宇宙での活動服製作にも関わっていて、NASAやJAXA*2と人脈があった。また、開催に協力した国立大学法人和歌山大学には宇宙教育研究所(秋山演亮所長)があり、観光学部には昨年6月13日の「はやぶさ」カプセル帰還時には、カプセルが落下したオーストラリアのウーメラ砂漠からのインターネット中継に携わり、文部科学大臣から表彰された尾久土正己教授はじめJAXAと関係深い学者が何人もいて「宇宙をキーワードに教育や地域を活性化する」活動を展開している。
 こうした縁から「はやぶさ」のカプセルが和歌山市にやってくることになったわけで、展示2日目の16日には、JAXAの「はやぶさ」チームのマネジャーを務めた川口淳一郎教授の「はやぶさが挑んだ人類初の往復宇宙旅行、その7年間の歩み」と題する講演*3が行われた。私も聞きに行ったが、宇宙に興味のある老若男女が県外からも大勢訪れ、主会場はもちろん、ネット配信された映像で講演を聞く2ヵ所のサブ会場も超満員となった。
 4階のメーン会場には@イトカワの砂粒が入っていたインストルメンタル・モジュールA「はやぶさ」から切り離された後、地球からの指令を受け取る電子機器部B地球の上空5kmで予定通り開いてカプセル着地を助けたパラシュートCカプセル本体を保護する断熱材である背面ヒートシールドの本物4点のほか、カプセル全体のカットモデルや「はやぶさ」の1/8サイズ模型などのレプリカも展示され、2階では島精機スタッフが正月休み返上で急きょ作り上げた実物大の「さわれるレプリカ」*4が展示され人気を呼んでいた。
 さて、「はやぶさ」などが宇宙で活動している様子を我々が実際に見ることはできないが、和歌山出身のスペースアートクリエイター池下章裕さん*5は、それを科学的で精緻な想像図にして、我々を実際に見てきたような気分にしてくれる天才だ。今回は池下さんが描いた数々のデジタルアートが展示され、本人もゲストとして毎日講演した。和歌山出身の多くの人が様々な形で宇宙と関わっていることの重みと誇りをこの展示会で再認識した。



*1 前にもふれたが、フォルテワジマは和島興産(島和代社長)の所有で、和代社長の夫君が鞄精機製作所の島正博社長である。ただし両社には資本関係はない。
*2 NASAはアメリカ航空宇宙局、JAXAは日本宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所の略。
*3 川口教授の講演で面白かったのは、NASAが宇宙関係のニュースを流したりコメントしたりする時に、必ず「宇宙史上2番目に惑星に到達して帰ってきた『はやぶさ』」と書き、「最初に達成したのはNASAだ」と強調していることを、からかい気味に話したことである。「はやぶさ」の成し遂げたことは、かつてNASAの探査機がやったこととはレベルが違うのだが、米国としては決してそれは認められないという悔しい気持ちの表れだという話が興味深かった。
*4 このレプリカ自体は軽いが、実際の落下カプセルは16kgもある。同じ重さの重し4基が会場に置かれていたが、とても重くて持ち上げるのは困難であった。
*5 インターネットで検索すると、池下章裕さんは大学で電子工学を専攻し、情報システムの開発会社エンジニア、IT関連の技術商社を経て三菱商事勤務。幼いころから宇宙に関心が深く、社会人になってからもネット上でその想いを文と絵によって表現していたのが宇宙科学研究所関係者の目にとまり、最初はボランティアでイラスト製作に協力、後に独立してプロとなった。「はやぶさ」やイトカワをはじめ最近の宇宙イラストのほとんどは池下さんのもので、「はやぶさ」チームでも絶賛されている。

左 はやぶさが地上に送ったカプセルのレプリカ。鉄ナベのような形をしている
右 池下章裕さんのデジタルアートで描かれたDVD「おかえりなさい はやぶさ」を購入、池下さんにサインしてもらう


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