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エエ加減にしてんか

 最近、「勘弁してくれー」と叫びたくなるのがNHK朝の連続テレビ小説「天花」である。
 連続テレビ小説=通称朝ドラは1961年、高度経済成長を唱えた池田内閣時代にスタートした。当時まだ中学生だった私は、高校時代を除き、今回の第70シリーズ「天花」まで、ほとんどの朝ドラを見続けてきた。その記憶をたどってみても、「火の国に」「わたしは海」「まんさくの花」「心はいつもラムネ色」「都の風」などあまり印象に残っていないものもあるが、今回の「天花」ほどイライラする話はあまりなかったように思える。
 主人公がさまざまな試練を経て成長していくというのはごく普通のパターンで、天花がいろいろ理不尽な目にあうのは展開上仕方がない。「藍より青く」「おしん」「甘辛しゃん」「すずらん」など、その試練がかなり悲惨な筋書きもいくつか記憶しているし、天花役の藤澤恵麻が実年齢21歳とはとても思えないくらい可愛いので、まあ許すとしよう。
 だが、難儀なのは豪華脇役陣で固めた周囲の大人たちである。エキセントリックで長女偏愛という暗い父・信夫の香川照之がまず鬱陶しい。さらに、何となく大人になりきっていない母・秀子の片平なぎさ、天花の親友の市川実日子、天花が恋する竜之介の平山広行、その父の竹中直人、その妹で天花の父と見合いして断られたことを未だに引きずっている石野真子、2人の母の保育園長・冨司純子、保育士で天花と張り合う中嶋朋子、信夫が再就職するベビー洋品会社社長の加賀まりこ……と、どれを取ってもアクが強いのに魅力が薄い、性格的に欠陥がある人物ばかりで、まともなのは冨司純子の夫の住職・中村梅之助と、その親友である天花の祖父財津一郎という爺さん2人ぐらいである。これでは、ドラマは天花の成長物語ではなく、天花をめぐる大人たちの成長物語になりそうである。
 仙台の人たちが期待していたであろう地元でのストーリーは申し訳程度で、父の転職と、不良に絡まれただけで推薦入学を取り消され、上京することになる天花という設定で舞台を強引に東京に移す。さらに、竜之介との出会い、親友市川実日子との恋のさやあてといった筋立てにも無理が目立ち、園児たかし君とのトラブルは何とかハッピーエンドになったが、それまでに日を掛けすぎて後味の悪さが残る。作者の竹山洋といえば2001年に「菜の花の沖」で芸術選奨文部科学大臣賞に輝いたシナリオ作家であり、「利家とまつ」で瀕死の大河ドラマを救ったNHKの功労者なのに、どうしてこんな話を……と思う。
 私は毎朝BSで朝ドラを7時45分まで見てから出勤するのが日課であった。だが、このドラマを見ると、朝から大変重苦しい気分になってしまう。1日の始まりには誠にふさわしくないドラマであり、視聴率が上がらないのも当然である。民放ならとうに打ち切りとなるはずで、このままの調子が秋まで続くなら、「エエ加減にし『天花』」である。

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