I will support Ohashi For tomorrow.
 HOME / ごあいさつ / 自分史(1946〜2002) / 父との別れ / 憂楽帳 / 惰学記 / 父の思い出 / 後援会 / 大きなうた / 余談独談



南海貴志川線

 南海電鉄は、和歌山市と貴志川町を結ぶ貴志川線(JR和歌山〜貴志、14.3km、14駅)の営業をこれ以上続けられないとして、9月末に鉄道事業廃止届を国土交通省に提出する意向を正式に表明した。廃止届を出せば、法的には南海は1年後に貴志川線の営業から退出できる。昨年秋、南海電鉄が県、和歌山市、貴志川町を訪れ、「貴志川線は年間5億円程度の赤字が出ており、このままでは営業継続が難しい」と表明して以来、市は県、町、沿線の自治会や学校などと共に「対策協議会」を設置し、約26万人の廃線反対署名を集める一方、貴志川線の利用増呼びかけを行うなど路線存続の運動を展開してきた。にもかかわらずこういう事態となったことは誠に遺憾と言わざるを得ない。
 元々貴志川線は市東部の日前・国懸神社、竈山神社、伊太祁曽神社の三社参りのために作られた鉄道だが、今も年間200万人弱の輸送人員があり、沿線には県立高校4校と私立短大、さらに住宅団地や病院・高齢者施設、運転免許試験場もある重要な路線だ。
 署名は和歌山市、貴志川町以外の方々にも協力いただき、約26万人分を南海本社に持参したが、利用増の呼びかけは残念ながら空回りで、南海電鉄によれば、今年4〜5月の乗客数は昨年同期を下回った。昨年度の年間収支も、赤字幅が前年度より拡大している。
 いま近鉄がプロ野球から手を引こうとして騒動になっているが、南海電鉄は16年も前に球団を手離している。その後も関空乗り入れで巨額の投資を余儀なくされたのに、関空の国内線便数減で、空港特急「ラピート」がガラガラの状態だから経営は容易ではないはずだ。実際に乗ってくれる人が増えないことには、署名がたくさん集まっても、民間企業である南海電鉄として、それなりの決断せざるを得ないのは当然だろう。
 しかし、県や市、貴志川町としては南海が撤退を決めたから即廃線、という訳にはいかない。協議会が行った利用状況や今後の見通しについての委託調査の結果では、朝7時〜9時にJR和歌山駅に到着する8本の上り電車の乗客は計1000人を超える。これをバスで運ぶと1台に50人詰め込んでも20台必要である。貴志川線沿線は県道整備も不十分で渋滞がひどい。そこへ1時間10台のバスを通すことなど現状ではほとんど不可能だ。。
 7月末に、三重県の桑名市といなべ市を結ぶ元近鉄の北勢線と、茨城県の石岡市と鉾田町を結ぶ鹿島鉄道を視察してきた。どちらも30`足らずのローカル線で、利用客は伸びず、自治体の支援で持ちこたえている。その中で特に感心したのは鹿島鉄道が「チョロQ列車」や記念切符などを売ったり、駅舎利用の売店や枕木のオーナー制度といったユニークなアイデアで年間2000万円以上の「運輸雑収入」を得ている努力であった。
 貴志川線の場合、運行本数減や値上げなどによる乗客数の目減りなども考慮したシミュレーションでは、人件費を徹底的に切り詰めても年間1億円余の赤字が出るという厳しい結果が出ている。沿線の方々に、もっともっと乗っていただき、昼間の乗客が1列車30人に満たない現状を何とか改善するとともに、収益改善につながる地元ならではのアイデアを出していただき、それをテコに県・市・町が応分の負担をして鉄道を維持し、出来る限り低コストで運営できるような枠組みを作っていかなければならないと考えている。

<back>
 HOME / ごあいさつ / 自分史(1946〜2002) / 父との別れ / 憂楽帳 / 惰学記 / 父の思い出 / 後援会 / 大きなうた / 余談独談

 大橋建一へのご意見等は、こちらから。  E-Mail : info@ken-ohashi.jp