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ご近所の底力

 堀尾正明アナウンサー司会のNHKの人気番組のタイトルを借りて和歌山市北西部の磯ノ浦地区自主防災会が自力で建設した津波避難所の話を書く。磯ノ浦地区が面している海は入り江ではなく、直接紀伊水道、そして太平洋につながっている。1946年12月の南海地震(M8.0)の時は、ほとんど被害はなかったが、隣接する住友金属の工場用地の海側への埋め立てがその後進み、それと共に住宅地が海岸の堤防際まで広がったことから、今度南海地震に見舞われたら、大きな津波被害が発生するという不安が地元に強い。
  この一帯は道路幅が極端に狭く、住宅地の背面には高台もあって、幹線道路に出るには小型車でも対向できないような市道を走らねばならず、火事があっても消防車が入れないような里道も多い。そこに夏は海水浴客やサーファーの車が殺到し、週末は大混乱となる。
  そこで地元自治会は市に「避難場所の西脇小学校まで約1`あり、高齢者には無理。もしもの時は北の高台に逃げるしかないので、高台へ登る里道を歩けるよう整備拡幅し、登り口の神社の上にある地区共有地に避難設備を作ってほしい」などの要望を続けていた。
 しかし、県の津波浸水予測では、磯ノ浦地区は海岸に2〜3bの津波が来る恐れがあるが、堤防より北側の住宅地は、一部で50a未満の浸水が予測される程度で、ほぼ安全とされている。その予測に従えばこの避難所設置は優先度が低く、しかも高台自体が急傾斜地でもあり、市が高台を整備するには課題が多く、地元要望に応えられない状況だった。
 そう言われても地元としては心配である。磯ノ浦の杉本慶藏自治会長ら有志は、地震発生から5分で津波が来ると予測される串本町の住民が、手作りで避難路を作っているという話を耳にし、現地を見に行って、「我々も自分たちで避難路と避難所を整備しよう」と決心した。磯ノ浦が属している西脇地区連合自治会の前田尚孝会長らに協力を求め、ほぼ地域住民・自治会の拠出金だけで里道を舗装し、高台を整備、防災倉庫を建設し、さらには海水浴やサーファーのために避難場所への道を示す標示板を各地に設置。これらの竣工式が19日に営まれたのである。これを「ご近所の底力」と言わずして何と表現できようか。
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 30年以内に必ず来るといわれる東南海・南海地震への関心が今、和歌山市内では急激に高まっている。3月7日にオープンした新消防庁舎に4月から開設した防災学習センターの見学者は、毎月2000人近くに達し、地域防災リーダー養成を目的に6月から開講した「市民防災大学」は、林消防庁長官を招いて開催した初回が、170人受講予定のところ250人を超す人が詰め掛けた。防災マップ作りのためのワークショップも地域ごとに多数の参加が予想されている。高まる関心を「市民の底力」に盛り上げ、いざという時の被害を最小限に食い止めるよう、市としても一層の努力を傾注したい。


6月19日に行われた磯ノ浦自主防災会避難所竣工式

磯ノ浦地区内のあちこちに避難場所への道筋を示す案内板が張り出されている=その場所の海抜を示すイラストは市立和歌山商業高校デザイン科生の作品だ
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