I will support Ohashi For tomorrow.
  HOME / ごあいさつ / 自分史(1946〜2002) / 父との別れ / 憂楽帳 / 惰学記 / 父の思い出 / 後援会 / 大きなうた / 余談独談



トマト菜園

 先日、和歌山市北西端に近い加太地区のコスモパークに設立された「加太菜園」という生食用トマトを生産する会社を見学した。コスモパークは関西空港用地埋め立てのために土取り場として切り開かれた丘陵を中心とする約250haの広大な土地だ。バブル崩壊で売れなくなり、困っていた県が、賃貸が可能な特区の認定を受け、大規模なトマト水耕栽培の適地を探していたカゴメ株式会社を誘致した。これを受けてカゴメはオリックスと合弁で加太菜園株式会社を昨年10月に設立し、第1期として5.5haの敷地に温室、選果場、管理棟、機械室などが6月に完成、11月の初出荷を目指して育成が行われている。
 菜園の心臓部である温室は5ha余の広さがある。プラム、ラウンド、デリカ、チェリーという4種類のトマト苗木計約13万本を栽培しており、温室の入り口から見ると、奥行き256m、幅202.5mの空間にズラリ並ぶ苗木は壮観である。1本1本独立した苗床に液体肥料を与え、オーバーフローした分は回収して再利用。また、暖房は天然ガスで80度の湯を沸かし、温室内を循環する温湯管に通して暖める方式。さらに、ボイラーから排出されたCO2はトマトの光合成に利用して排出量を抑制する。害虫防除は天敵の昆虫を使い、化学農薬をなるべく使わない――など環境に配慮した栽培技術が駆使されている。
 現在の従業員数は70〜80人で、その大半が農作業に従事した経験のないパートだが、機械化可能な部分はすべて機械化されているので、高度な農業知識や技術は全く必要ないという。トマトの果実は幹の下の方から順番に熟していくので、一本の木を15〜20mに育て、先を天井から誘導フックで吊るし、フックを移動させることで収穫可能な果実の高さが常に一定になるよう工夫されている。人間の手でしなければならないのは、苗床を並べ、樹木をフックで吊るし、枝葉を剪定し、収穫時になれば自分の背の高さにある熟した果実を摘んで台車で選果場に送ることだけ。あとは自動的に選果され、出荷される。
 温室上部の屋根は、小さい屋根がいくつも連なった形で、温度と湿度を一定に保つためにコンピュータ管理で自動開閉される。もちろん雨の日は閉まり、屋根に降った雨水は大きなタンクに溜めて栽培用に使われる。地下水が超硬水で、栽培用に適さないための苦肉の策だが、この夏は梅雨時こそ雨が少なくて苦労したが、その後は十分賄えたという。
しかし、これほどのハイテクでも予想できなかったことがあった。屋根が開いている時にセキレイが紛れ込み、受粉させるため温室内を飛ばしているマルハナバチを食べてしまったのである。味をしめたセキレイが仲間を連れて度々侵入、マルハナバチはパニックになって巣から出ようとしない。「さあ困った」という事件が起きたのである。今のところ対策は従業員総出でトリモチを使ってセキレイを捕まえることしかないようだ。

<back>
 HOME / ごあいさつ / 自分史(1946〜2002) / 父との別れ / 憂楽帳 / 惰学記 / 父の思い出 / 後援会 / 大きなうた / 余談独談

 大橋建一へのご意見等は、こちらから。  E-Mail : info@ken-ohashi.jp